草原に倒れこんで、青い空を見上げた。 『この世の終わりまで』 「・・・どうしようもねぇな・・」 ポツリとシリウスが呟いた。隣にいるジェームズが苦笑しながら答える。 「そうだね」 何も出来ない僕ら。 「魔法使いのくせに何も出来ない・・」 右手を目の前に上げて、悔しそうに握りながらシリウスが言った。 「所詮僕らも只の人間なんだよ」 ジェームズはただただ、空を見上げて。 「僕らだって、地球の一部に変わりないのさ」 「そうだな・・・」 苦々しい顔をして、そう呟くしかなかった。 何も出来ない僕ら。 無力な僕ら。 「これからどうする?」 ジェームズが尋ねた。残りわずかな時間を、どうやって過ごそうか。 「・・さぁ?ジェームズは?」 「とりあえず、シリウスと一緒に居たいかな」 「・・・オレでいいのか?」 顔を横に向ける。ジェームズの横顔を見つめた。 「僕と一緒じゃ嫌かい?」 ジェームズもシリウスの方を向いて、尋ねた。 「・・・そんなことねぇけど」 そう答えたシリウスの顔は、嬉しそうで。言葉では突っ張っているけど、顔では隠しきれていない。 「そう」 ジェームズは嬉しそうに笑った。 「何する?」 ジェームズが身体を起こして尋ねた。シリウスは隣で、空を見上げて。 「お前が決めろよ」 「僕が決めていいのかい?」 少し驚きながら聞き返した。残りわずかな時間を。それでいいのだろうか。 「お前についてくよ」 今まで君に着いてきたのだ。最期までお前についていく。 「それじゃぁ・・・」 少し考え込んで、ジェームズが悪戯な笑みを浮かべた。 「子供の遊びをして過ごす?大人の遊びをして過ごす?」 シリウスは青い空を見つめて。 怒られるかな?なんて思いながら、シリウスの顔を見つめていたら。 シリウスの口から出てきたのは、普段では考えられない言葉で。 「・・・・どっちでもいいぜ」 ジェームズは思わず、不覚にも驚きを隠せなかった。少し目を見開いて、尋ねる。 「・・・・本当に?」 「嘘ついてどうすんだよ?」 即答するから、本当に驚いて。だけど、すぐに悪戯っぽく笑ってジェームズは口を開く。 「それじゃあ両方で」 「難しいこと言うんだな」 シリウスが笑みを浮かべて言った。 「欲張りなんだよ。僕は」 一緒に悪戯をして楽しんでいた時も。 一緒に快楽におぼれていた時も。 どんな時も好きだから。 「・・・・お前といられるなら何でもいいよ」 少し呆れながら、でも笑いながらシリウスは言った。 嬉しいこと言ってくれるね、なんて思いながらジェームズも笑って。だけど残り時間も後僅かだと思うと切なくなって。 「好きだよ、シリウス」 上半身を、前のめりに倒して。 「愛してる」 「オレも・・・」 愛してる、と。そうそう聞けない言葉をシリウスの口から聞けて。 微笑みながら、ジェームズはシリウスに口付けた。 この世の終わりまで。君を愛してる。 ―――――――― 2040年には大洪水だとか異常気象だとか何だかテレビで言ってたので出来たお話。 世界の最期のお話です。 何だか誰視点なのかよくわからない・・・; ジェームズ・・・っぽいかなぁ・・・?(何 |