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『クリスマス』 そりゃあ、何か恋人らしいお持て成しをしてくれるなんて、思ってはいなかったけれど。 クリスマスは恋人にとって大事な行事だと教えたとき、彼は興味なさそうに相槌を打っただけで。 その態度を見ている限り何かしてくれるなんて思ってはいなかったけれど。 だけど、これはないんじゃない? 「ちょっと起きなさいよ、知盛!」 夕方になってもお誘いの連絡がこないから彼の家に来てみれば、これだ。いつもの通り、彼はベットから出た気配がない。 せっかくのクリスマスなのに、と思わずぼやいてしまうのは仕方がないだろう。 「とーもーもーりー」 意地になって思いっきり彼の身体を揺らす。これで反応してくれなかったら次はビンタでもお見舞いしてやろうか。いや、寝ている彼に攻撃などしたら私の命が危ないかも。 なんて考えていたら、彼の身体が少し動いた。 部屋の照明が眩しかったのだろう。うっすらと目を開く。 「望美…か?」 「そうですよ。春日望美ちゃんですよ」 怒りながら、そう答える。 「あんた今何時だと思ってるのよ!もう陽も暮れちゃったじゃない!」 「今日は、特にやらなければならないこともなかったはずだが…?」 だるそうに、そう答える。 確かに何も約束はしていない。今日は一緒に出かけよう、とも一緒にいよう、とも、何も話してはいないけれど。 だけど、クリスマスは大事だって、言ったじゃない。 何かしてくれるなんて思ってはいなかったけれど、期待していなかったと言えば嘘になる。少しくらい、期待していたわよ、私だって。 「あーもう。夢見た私が馬鹿だったわよ…」 知盛がこういう性格だって、分っていたじゃない。 「あげる」 ため息をひとつついてかばんの中から小さい箱を取り出して、ベッドに投げつけた。 「何だ…?」 「目覚まし時計。寝るときにセットしなさいよ」 いつも寝てばかりの彼だから、少しは私のために起きるようにするために。 少しは起きて私の相手しなさいよ、ばか。 「じゃ、私帰るね」 母には泊まってくると言った手前家には帰りにくい。いっそ有川家にでもやっかいになろうか。 この家族なら快く受け入れてくれるだろう。将臣くんあたりにからかわれるかもしれないが、仕方がない。 知盛に背を向けて歩き出そうとしたけれど、いきなり手をつかまれて進めない。 「ちょっ…!何するのよ…!」 「クッ、つれないな…」 その言葉に、思わず反感を覚えてしまう。 何よ、こんな日に恋人をほったらかしにしてるあんたは何なのよ。 「放してよ。私帰…」 帰る、と言い放そうとしたところに、いきなり目の前に彼の手が伸ばされる。 「メリークリスマス…だったか…?」 彼の手の中には、小さな箱。 ………。 「え!?ちょっとどうしたのこれ!?」 「買った…」 「いつの間に!」 ずっと寝ているだけかと思っていたのに。 「…この間、お前が話したんじゃないか…今日はクリスマス、というものなのだろう…? クリスマスとは、好きな相手に贈り物をする日だと、言ったのはお前じゃないか…」 「言ったけど…」 悔しくて、思わず床を見つめる。今私の顔はどうなっているのだろう。 「何よ、それなら今日逢う約束とかしておきなさいよ。」 今日渡せなかったら、どうするつもりだったのだ。 「お前も…俺に贈り物を持ってくるだろうと思っていたからな…」 「何よそれ」 悔しい、悔しい悔しい。 知盛の思い通りなことが。だけどそれで喜んでる私も凄く悔しい。 箱を受け取って、小さくつぶやいた。 「ばか」 そして、メリークリスマス。 ――――――― クリスマスに書こうと思ってたんだけど時間がなくて書けなかったチモ望です。 望美の喋り方がわかりません。(ぁ ってか駄目だ…。私望美のキャラいまいちつかめてないです…。 『お正月』 「あけましておめでとうございます。景時さん」 君にそう言われて、俺はなんだかとても嬉しくて。 「景時さん?何かいいことありました?」 「え、何で?」 「だって、凄く嬉しそうに笑ってるから。年明け、そんなに嬉しいですか?」 やっぱり顔に出ていたか。もともと顔に出やすい方だが、それにしても今は幸せすぎて、顔に出さない方が無理だ。 「今、俺はとても幸せだよ」 君の部屋に、2人で一緒に隣に座って、一緒にテレビを見ながらカウントダウンをして、一緒に、新年を迎えられる。 平和だと、しみじみ感じる。 「年が明けたからですか?」 「君と一緒に、新しい年を迎えられたからだよ」 平和な時間を、君と過ごせて、とても幸せだ。 俺の言葉を聞いて、望美ちゃんも嬉しそうに微笑んだ。 「私も、景時さんと一緒に新年を迎えられて嬉しいですよ。今年もよろしくお願いしますね?」 「こちらこそ。今年もよろしくね」 今年もまた、幸せな時間を君と過ごそう。 ――――――― 裏切り者聞いてたら幸せになって欲しいなぁと思ったので。 年明けくらいは幸せになって景時さん!(笑/何 |