「好きだと言ったら、どうする?」
いきなり問われた言葉に、物凄く驚いた。

「とりあえず、驚く」
今のそのままの状態を言ったら、ルカは軽く笑った。
先ほどの言葉の真意がわからなくて、少し戸惑う。

「驚いた後は、どうする?」
笑いながらルカがそう聞いてくるから、よけいに僕は混乱するばかりだ。

「冗談?って聞き返す」
というか普段通りの顔からいきなり出てきた言葉が、真実だなんて考えられない。
しかも何の脈絡もなく。
それが本当の告白だなんて、思えないのだ。

「本気だ、と言ったら?」
普段通りの表情で、そう言う。
「信じられない、って答える」
信じられるわけがない。

「どうしたら信じてもらえる?」
「どうもこうも…!」
だったらせめてそういう表情をしろよ、と思う。平然とした表情で言われても本気だなんて思えない。

「内心はかなり緊張しているんだがな」
「嘘だ」
「本当だよ」
「信じられない」
「酷い言われようだな」

そう言って、また小さく笑う。
その余裕のある態度の、どこに緊張なんてものがあるのだ。

「もういいかげんにしてよ」
僕はなんだかだんだん腹が立ってきて、思わず語尾がきつくなる。
こんなつまらない冗談にいつまで付き合えと言うのだ。

「…シヴァ」
「もういいだろ。僕行くから」
「シヴァ!」
呼ばれると同時に肩を捕まれる。
結構力を込められているせいで、痛い。痛さに少し身動ぎしながら、ルカを睨んだ。
けれどルカは全く力を緩めようとしない。

そして真っ直ぐに僕の瞳を見ながら、ルカが問う。
「シヴァが好きだと言ったら、お前はなんて答えてくれる?」
内心、先ほどとは違い真剣な顔つきになったルカに少し戸惑いながら、僕は言った。
「…変な冗談やめてよね、って答える」
するとルカは苦笑して。
「冗談ではなく、本気で好きだと言ったら?」
「…信じられない。信じられるわけないじゃないか」
これでは先ほどと同じではないか。
一体このやりとりはいつまで続くんだ。
思わず溜息をつきそうになったとき、いきなり、キスされた。
いきなりのことに驚いて呆けていたら、舌まで入れられて僕は完全にパニックに陥ってしまう。

何で、どうして、いきなり、こんな展開になってるわけ?
何が何だかよくわからないけれど、次第にあまりの心地よさにどうでもよくなってしまう。
どれだけの時間がたったのかわからないがようやく開放される。
そしてルカが笑顔で言った。

「これで、信じてもらえたか?」
その一言で何だか僕は物凄く恥ずかしくなって。
顔を赤くしながら叫んだ。

「だからって何するんだよいきなり!」
「シヴァがなかなか信じてくれないから」
「信じられるわけないだろ!あんな余裕たっぷりな告白!」
「かなり緊張していたのだが」
「嘘だ!」
「…今も、とても緊張しているのだがな」
「わかんないよ!」

あんなキスをしておきながら、余裕な笑みを浮かべて、どこが緊張しているというのか。
むしろ僕の方がかなりドキドキしている気がするのだが。
顔は赤みが引かないし、とにかく恥ずかしい。
この状況がとても恥ずかしい。

「…シヴァ」
「…なに」
居た堪れなくて俯いていたら、ルカに呼ばれた。
「好きだよ」
それはとても優しい声。

「…わかったよ」
「本当に、好きなんだ」
「わかったってば」
「…シヴァは?」
少しだけ、不安気に聞いてきて、僕は思わず軽く吹き出した。
ああ、本当に緊張していたんだね。

僕は顔をあげて、笑いながら言った。
「僕もルカが好きだって言ったら、どうする?」

「…とりあえず驚く」
ルカの返答に、思わず笑ってしまう。
「それからどうする?」

「…抱き締めて、もう一度キスする」



言うと同時に抱き締められたので、僕もルカの背中に腕を回して。
そしてそっと目を閉じた。





『どうする?』





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なんだか私のブログの検索ワードに、『ルカシヴァ』が多いので。
何も書いてなくて悪いなと思ったのと、ブログに来てくれたお礼を込めて。