『丘の上』


風で靡く、貴方の髪の毛が、とても奇麗だと思う。
太陽の光に照らされて、輝く貴方の後ろ姿に、思わず見惚れてしまう。

木陰が好きな貴方が、こんな明るいところにいるなんて、珍しいですね。
と、少し笑ってしまう。

僕がこの間、太陽の下で風に靡かれて過ごすのも気持ちがいいですよ、と言ったから、貴方はここにいるのだろうか。
だとしたら、嬉しい。

何をするでもなく、ただ青い空を見上げる貴方。
いつもは木の葉で隠れて見えない空はどうです?奇麗でしょう?

「シヴァ」
後ろから声をかけた所為か、シヴァは驚いて肩を震わせた。
そしてゆっくりと僕の方に振り向く。
「レイ…」
顔に驚かすなよ、と不機嫌さが現れている。
でも、こんなに近くに来ていたのに、気づかない貴方も悪いんですよ?

「何してるんですか?」
「…別に」
そう言って、顔を逸らす、貴方。
だけど、顔には少し照れている感じが出ている。
本当に、顔に出やすい人ですね。
可愛くて、思わず笑ってしまう。

「な、何だよ!?」
「いえ、別に」
震える肩を止めることができない。どうして貴方は、一言一言がこんなに可愛いのでしょうか。

笑いをおさめて、不機嫌な顔をしているシヴァに笑いかけた。
「時間があるなら僕の家に来ませんか?この間おいしい紅茶を買ったんです」
「何話逸らそうとしてるんだよ!あんなに人のこと笑っておいて…っ!」
誘いの言葉は流されてしまう。そんなに僕が笑った理由が気になるんですか。
「別に、大したことじゃないんですけどね」
「それなのにあんなに笑ったっていうの?」
心地よい風が吹き抜ける。この丘は僕のお気に入りだ。

「貴方が可愛くて」
この間、ここは僕のお気に入りなんです、と紹介したから、また来てくれたのだろうか。
空を見ながら想っていたのは僕の事、なんて思うのは、僕の願いにすぎない?

笑いながら、そう告げたら、貴方は顔を紅くして。
「なっ!!何言ってるんだよ!?」
顔を紅くしながら怒鳴る貴方も、愛らしい。

シヴァの髪の毛を撫でて、そのまま頬に手を添えた。
「シヴァ」

「な、何?」
顔は紅いままだけど、不機嫌な色はない。ただ僕の手に戸惑っているらしい。

「好きですよ」
そう告げれば、シヴァの肩が小さく震えた。先ほどのように、ただ驚いたから、とかそういうわけではなくて。
紅い顔で、僕を見る。
シヴァの瞳の美しさに、涙が出そうになる。
嗚呼、どうして貴方はこんなにも愛おしいのか。

「ぼ、僕も……っ好きだよ…っ」
照れていて、声は小さいけれど、迷いのない、貴方の声。

嗚呼、このまま時が止まってしまえばいいのに。


「シヴァ」
貴方の名前を呼べることが、こんなに幸せなんて。




丘の上には、僕とシヴァの2人だけ。
鳥の鳴き声だけが辺りに響いた。






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よくわからないです。(爆)
ってかレイ難しい…っ!
シンになりかけて、危ない危ない軌道修正!と思って軌道変えたらコンラッドみたいになっちゃいますし。(笑)
敬語キャラが多いですなぁ…。

これのテーマソングは『金色の花の咲く丘で』で!(グッ
ってかむっさその曲の話です。(笑)