あかん。どうしよう。泣きそう。
涙が出そうになるのをぐっと堪える。
どうしよう、嬉しすぎる。


「けん、や…?」
浅い息を繰り返しているユウジが、声を絞り出して俺の名前を呼んだ。
ベッドに横たわるユウジは、苦しそう。
そもそも受け入れる場所ではないところで、俺を受け入れてくれているのだがら、痛いに決まっている。

どうしよう、どうしよう。
「ユウジ、」
愛しい、凄く愛しくて。
あかん。やっぱり泣きそう。

「どないしたん…?…ごめん、痛い?」
俺を気遣う、ユウジの優しさが嬉しくて。
「痛いのは、ユウジの方やろ」
俺なんかより、ユウジの方が負担は大きいのに。

「俺は、大丈夫やで」
俺を安心させるためにユウジはそう言って小さく笑うけれど、やっぱり苦しいのだろう。
無理をさせているのは、凄く分かるのに。
それでも、凄く、嬉しくて。

「どうしよう、ユウジ」
言いながらユウジ胸に顔を埋めた。
ユウジの心臓、バクバクいってる。
俺の心臓も、同じくらい早いけれど。

「嬉しすぎる」
ユウジと一つになれたことが、凄く凄く嬉しい。
嬉しすぎて、泣きそう。

「ごめんな。ユウジ痛い思いしとるのに、ごめんな」
「なんで謝っとんねん」
ユウジが俺の頭をあやす様に撫でる。ほら、こんなにも俺はユウジに貰ってばっかり。
「…ユウジに辛い思いさせとるのに、喜んでばっかりでごめん」
「アホ謙也」
言うと同時に髪を引っ張られた。痛い。
「ちょ、ユウジ!」
思わず顔を上げれば、顔を真っ赤にさせたユウジと目が合った。
「俺だって嬉しいっちゅーねん!阿呆謙也!」
叫ぶユウジは今にも泣きそうで。あかん、俺も本当に泣きそう。

「痛くないし辛くない。謙也と繋がれて俺だって嬉しいんや!」

ああもう。好き。めっちゃ好き。どうしよう。好きって気持ちが溢れ出して、俺、今にも爆発してしまいそう。
「ほんま、嬉しすぎてどうしよう」
「とりあえずキスしとけばええんとちゃう」
そう胸を張りながら答えるユウジが愛しくて愛しくて、思わず笑ってしまった。




ねぇ、こんな時間を君と迎えられて、俺、めちゃくちゃ幸せやで!









『嬉しすぎて、どうしよう』