※エロ注意








自分の中に異物が入り込んでくる感覚には、何度やっても慣れない。
最初の頃に比べれば痛みはなくなったけれど、それでも違和感はどうにも拭えない。
瞳をきつく閉じて、ゆっくりと息をして、この感覚に耐える。

俺の呼吸に合わせるように入り込んでくる白石が、動きを止めた。

全部入ったのかと、少し安心して、深く息を吐いた。
そんな俺の頬に、白石の手が添えられる。
いつもは包帯を巻いている白石の左手は、今は何も巻かれておらず、白石の体温がそのままに伝わってくる。
金太郎は白石の左手が怖いというけれど、俺は白石の手に触れられると、凄く安心するし、気持ちがいい。
白石は、凄く優しく俺に触れてくるのだ。

「ごめんな」
いきなり言われた言葉の意味が分からなくて、瞳を開く。
そこには、心配そうに俺を覗き込む白石がいた。

「なに、謝っとん、ねん…」
切れ切れになる息が少しだけ悔しいと思ったが、仕方が無い。俺は今いっぱいいっぱいなのだ。

「辛い思いさせて、ごめん」
「…謝ることや、ないやろ」
辛いのはどっちだと思わず突っ込みたくなるくらい、白石が顔を歪めるから、なんだか少し嬉しくて。
俺に覆い被さっている白石の首に、腕を伸ばした。俺が抱きつきやすいように、白石が身体を屈めてくれる。

「ユウジ」
「蔵ノ介、んっ」
名前を呼び合って、お互い求め合って口付けた。甘く、蕩けるような、キス。
白石と触れ合えることがとても嬉しくて、俺は白石に縋り付く。
長く深いキスが途切れたとき、白石が俺の額に自身の額を合わせて、言った。
「ホンマにごめんな」
「せやから、謝ることやないって、」
「ユウジが辛い思いしてるっちゅーことは分かっとる。せやけど、ユウジの辛そうな顔見るのが、嬉しくて、ごめん」
「なっ……くっ」
言われた言葉に驚いたら、思わず力を入れてしまって、白石を締め付けてしまった。
その衝撃が身体中を駆け巡って、思わず震えてしまう。
「…っユウジ、いきなりは、反則やで」
駆け巡る感覚をなんとかやり過ごして、白石を睨み付けた。
「お前が、変なこと言うからやろ…っ」
声を荒げることが出来なくて、少し押さえ気味にそう告げれば、白石は嬉しそうに笑って俺の頬に軽くキスをした。

「ユウジが耐えてくれてるのも俺のためなんかなぁって思ったら、嬉しくて」
「阿呆か」
あまりにも幸せそうに笑うから、俺は気恥ずかしくて、そう答えることしか出来なかった。
それでもニコニコと笑うので、俺の恥ずかしさは最高潮に達してしまう。恥ずかしすぎて、白石の顔が見れない。
「この変態」
「ユウジやからやで」
「いいや。お前は生まれつきの変態や」
「ユウジが可愛すぎるのがあかんねん」
「可愛いって言われたって嬉しくないわ」
「せっかく褒めとるのに」
「男に可愛いは褒め言葉やないやろ」

「んーそれじゃあ…ユウジのこと愛しとるで」
「…脈絡ないやん」
「褒め言葉やで」
「それは褒めてるのか?」
そう言って思わず笑えば、白石が啄ばむようなキスを落としてきた。
少しくすぐったくて、身を捩る。
「蔵、」
そう名前を呼べば、白石と目が合う。
顔は笑っていて穏やかだけれど、瞳は凄く俺を求めていることを告げてきて。
思わず、一瞬息を止めてしまう。
目が、離せない。
「動いても、えぇ?」
「ん、」
恥ずかしくて、小さく頷けば、白石は優しく微笑んで、俺の額に口付けた。

「しっかり掴まっときや」
「ふっ、ん…っああっ」
俺が白石の背中にしがみ付いたら、白石はゆるゆると動き出した。

挿入されたころに感じていた違和感はもう薄れていて、それよりも別の感覚が身体中を駆け巡る。
あまりにも強い刺激に、白石にしがみ付く手に力をこめれば、白石はより一層早く動き始めた。

「あっあっ、ん、蔵ぁ…」
「ユウジ、」
「ふぁっ…やっ…ん、んっ!」
「やっぱ、ユウジは可愛えで」

言うと同時に深く引き抜かれ一気に挿入され、思わず身体がしなる。
「ひゃあっ、あ、やぁ…っ蔵、蔵ぁ…!」
「ユウジ…」
俺がキスを強請れば、白石はすぐに俺にキスをしてくれた。
嬉しい。白石とこんなにも近くにいれることが、白石と繋がれていることが、凄く嬉しい。

先ほどから俺のいいところばかり攻めてこられて、意識が飛びそうになりながら、目の前の人物にただただしがみ付いた。
「蔵ぁ、んっ…あっ!蔵…、蔵…!」
相手の存在を確かめるようにひたすら名前を呼べば、白石は答えるように顔にキスを落としてくれる。

「あ、も、無理…!蔵ぁ…!も、いく…!」
「…っえぇで…っ一緒にいこか…!」
「ひ、や…っああぁぁっ!ん…っあぁ・・・っ」

刺激が強すぎるところを勢いよく突かれて、俺は一気に上りつめた。
俺が達したすぐ後に、中に暖かいものが注ぎ込まれる。
浅く呼吸を繰り返しながらふと相手の顔を見れば、眉を顰めて、快感に耐える顔をしていて。
そんな彼が、凄く、愛しく思えて。
思わず白石に抱きつく。すると白石も俺の背中に手を回して、抱きしめ返してくれる。

「…好きや」
そう小さく呟けば、俺も、なんていう返事が返って来て、なんだか照れくさくなった。



恥ずかしさに耐えるように白石の肩に顔を埋めれば、耳元で囁かれた。


「愛してるで、ユウジ」





『要するに好き』



―――
初エロ。(笑)
とりあえず好きだっちゅー話です。